技術情報Technology

金属箔の開発金属粉、金属箔の研究・開発

めっき技術のノウハウを活かし、銅箔をはじめとする新規金属箔製品を研究・開発しています。

次世代高速通信に対応した銅箔の開発

高速通信と銅箔

PC、スマートフォンやテレビといった電子機器は、大量のデータを電気信号として送受信しています。年々その通信速度は高速化しており、従って電気信号も高周波化が進んでいます。特にスマートフォンをはじめとするモバイル通信については次世代の規格“5G”が2020年に導入される予定で、現行の4Gでは数百MHz-数GHzの周波数帯を用いているのに対し、5Gでは10-20GHz以上の周波数帯が用いられるようになると言われています。

銅箔はあらゆる電子機器の内部に搭載されているプリント配線板と呼ばれる部品に使われており、この電気信号を送受信する配線として機能しています。本開発は、このような次世代高速通信に最適な銅箔の創製を目指しています。

なぜ新規の銅箔が必要なの?

前述のように銅箔は配線として用いられていますが、信号の強度は配線を通る間に減衰してしまいます。これを伝送損失と呼びます。伝送損失は電気信号の周波数が高いほど大きくなります。

伝送損失は表皮効果と呼ばれる現象により説明でき、周波数の高い電気信号であるほど電流の流れる場所が表面に集中します。一般的な銅箔の厚さは6-70μm程度ですが、例えば周波数10MHzでは表面から約20μmの範囲に大半の電流が流れます。これに対し、10GHzではその範囲は表面から約0.7μmと非常に狭くなります。このことから分かるように、周波数が高いほど銅箔表面の影響を強く受けることになります。

伝送損失に影響する因子としては、表面形状をはじめとするさまざまな要素が挙げられます。例えば、凹凸があることで電流の流れる実質的な経路は長くなり、それによって信号強度が減衰、すなわち伝送損失が大きくなってしまいます。従来の銅箔はこのような観点から設計されていなかったため、今後ますます高速化していく電子機器の通信を支えるべく、新規の銅箔の開発が求められているのです。

銅箔の開発

右図は現在開発中の“次世代高速通信対応銅箔”と従来の銅箔(“従来銅箔”)の伝送損失の比較イメージを示しています。“次世代高速通信対応銅箔”は、同じ伝送損失を示す周波数という点から見るとより高い周波数まで利用でき、また同じ周波数で比較すると伝送損失を大幅に低減できていることが分かります。箔の内部組織から表面処理に至るまで、これまで蓄積されてきた当社の電気めっきの技術をさらに改良・発展させ、次世代高速通信に最適化された全く新しい銅箔を生み出すべく研究開発に取り組んでいます。

このように、今後も伝送損失のさらなる改善を追及し、高速通信の可能性を材料の視点から切り拓いていきます。

ご質問や少量サンプルのご要望があれば承ります。